Substackの歴史:なぜSNS疲れの時代に、信頼で伸びる仕組みが支持されたのか?
なぜ、みんなSubstackに移っているのか?
Substackが支持された理由は、他のSNSにはない魅力があったからです。
読者は、自分が好きな書き手を追いたかった。
書き手は、アルゴリズムに振り回されず、自分の読者と商売をしたかった。
Substackは、その両方の欲求を一つのプロダクトにしました。
この記事では、Substackの歴史について、詳しく解説していきます。
キーワードは「SNS疲れ」です。
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海外クリエイター事例から学ぶ、読者が自然に増える設計』
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広告モデルへの違和感が、Substackの入口になった
Substackは2017年、クリス・ベスト、ハミッシュ・マッケンジー、ジェイラジ・セティによって創業されました。
マッケンジーはジャーナリスト出身。
ベストとセティはエンジニア出身です。
彼らが見ていたSNSの問題は、書き手が読者ではなく、広告主やSNSのアルゴリズムに最適化されていく構造でした。
記事は読まれるためではなく、クリックされるために作られる。
読者との関係は、メディア企業やプラットフォームが握る。
書き手本人には、読者も収益も残りにくい。
Substackが掲げた思想は、その逆でした。
「書き手と読者を、もう一度主役にする」
ここが、Substackの設計思想の根幹部分です。
Substackが伸びた理由には、こんな背景がありました
Substackの設計思想は、ちょうど時代の不満と重なりました。
当時、多くの書き手は、SNSや検索エンジンのアルゴリズムに合わせて発信することに疲れていました。
読まれるためには、強い言葉を使う
クリックされるために、タイトルを過剰にする
反応を取るために、毎回タイムライン上で目立たなければいけない
その結果、書き手の手元には、読者との関係が残りにくくなっていました。
フォロワーはいる。
PVもある。
でも、次の記事が本当に届くかはわからない。
誰が自分を読み続けてくれているのかも見えにくい。
アルゴリズムに翻弄されて疲弊する。
こういったいわゆる「SNS疲れ」に対して、新しい解決策を出したのがSubstackでした。
Substackは、発信・購読・収益化をひとつにつなげた
Substackが出した解決策は、新しいSNSを作ることではありませんでした。
書き手が読者と直接つながり、その関係を収益化し、さらに読者との接点を深められるようにしたことです。
中心にあるのは、ニュースレター機能です
Substackでは、書き手が記事を公開すると、読者のメールボックスに直接届きます。SNSのタイムラインに流して終わりではなく、読者が自分で購読し、次の記事を受け取る関係が作られます。
これによって、他のSNSのように、派手な立ち回りをする必要がなくなりました。
次に重要なのが、記事機能です
Substackで配信したニュースレターは、Web上の記事としても残ります。そのため、読者が過去の記事を読み返したり、書き手の考えをまとめて追ったりできます。
つまりSubstackは、メール配信とブログ的な蓄積を一体化しています。
一回きりの投稿ではなく、書き手の思想や専門性が積み上がっていく。
読者は、たまたま見た一本の記事から、その人の過去の発信にも触れられる。
ここで、読者との関係はより深くなります。
さらにSubstackには、有料購読機能があります
書き手は、無料記事と有料記事を分けることができます。
無料で広く読者と接点を作り、より深い内容や継続的な価値を有料購読者に届ける。
これにより、読者の「この人を読み続けたい」「この人を支えたい」という気持ちが、直接収益になります。
広告収入に依存せず、読者から直接支えられる。
ここが、Substackが多くの書き手に支持された大きな理由です。
そして成長に合わせて、SubstackはSNS的な機能も追加していきました
Notes、Restack、コメント、Chat、プロフィール、Recommendations。
これらの機能によって、読者はSubstack内で新しい書き手に出会い、投稿に反応し、他の読者や書き手とつながれるようになりました。
ただし、SubstackのSNS機能は、単にタイムラインの滞在時間を増やすためのものではありません。
目的は、読者との関係を深め、その関係から次の購読を生むことです。
ニュースレターで直接届く。
記事で専門性が蓄積される。
有料購読で信頼が収益になる。
SNS的な機能で、信頼が別の読者へ広がる。
この一連の設計によって、Substackは「書く場所」でも「配信する場所」でもなく、書き手が読者との関係を育てる場所になっていきました。
この需要は数字にも表れています
Substackは2025年3月時点で、プラットフォーム全体の有料購読が500万件を超えたと発表しました。しかも、その約4か月前に400万件を超えたばかりだったため、短期間で100万件以上増えたことになります。
さらに報道によると、Substackの有料購読は2023年の約200万件から、2025年初めには500万件に増えています。つまり、約2年で2.5倍規模になった計算です。
2025年7月には1億ドルを調達し、評価額は11億ドルに達したとも報じられました。
伸びたのは総量だけではありません。
Substack公式は、現在「新規購読者の半数以上」がSubstack内のネットワーク経由で生まれていると説明しています。
事例1:ビル・ビショップは、初日に10万ドル以上を生んだ
Substackの象徴的な初期事例が、ビル・ビショップの中国ニュースレター「Sinocism」です。
ビショップはもともと無料ニュースレターとしてSinocismを運営していました。その後、2017年にSubstackで有料購読を導入します。
Substack公式によると、彼は最初のSubstack投稿を出したその日のうちに、10万ドル以上を売り上げました。
この事例が示したのは、「読者は広告付きの無料記事しか読まない」という前提が崩れたことです。
専門性があり、継続的に価値を届けている書き手なら、読者は直接払う。しかも、企業メディアを介さなくても成立する。
Substackにとって、これは強烈な証明でした。
事例2:レニー・ラチツキーは、実験から100万人規模のメディアになった
もう一つの代表例が、プロダクトマネジメント領域で知られるレニー・ラチツキーの「Lenny’s Newsletter」です。
Substack公式は、ラチツキーがニュースレター開始初年度に65,000ドルを稼いだ事例を紹介しています。
その後の伸びはさらに大きいです。
ラチツキー本人は2025年3月、自身のニュースレターが100万人の購読者に到達したと発表しました。
彼は、最初は「実験」として始めたものが、世界最大級のプロダクト系ニュースレター、ポッドキャスト、コミュニティになったと語っています。
ここで重要なのは、彼のテーマが大衆向けではないことです。
プロダクトマネジメント。
スタートアップ。
成長戦略。
かなり専門的な領域です。それでも大きく伸びた。
これはSubstackの強さをよく表しています。
広く薄いメディアではなく、狭く深い専門性でも成立する。むしろ、有料購読ではその方が強い。
読者が「この情報は仕事に効く」と感じれば、月額課金のハードルは下がります。
事例3:エミリー・アトキンは、気候変動ニュースレターを本業にした
エミリー・アトキンの「Heated」も、Substackらしい事例です。
彼女はThe New Republicを離れ、気候危機に関する独自の報道と分析をSubstackで始めました。
Substack公式は、Heatedが彼女のフルタイムの仕事になり、6桁の収益を生んでいると紹介しています。
この事例で見えるのは、Substackが「有名人だけの場所」ではないという点です。
もちろん、著名人は有利です。
でも本質は、知名度そのものではありません。明確なテーマと、継続的な信頼です。
気候変動のようなテーマは、一般ニュースでは断片的に扱われがちです。
でも、読者は、継続的に追い、文脈を理解し、自分の言葉で解説してくれる書き手を求めていました。
事例4:エリック・ニューカマーは、ニッチな専門メディアを年商100万ドル超にした
スタートアップとVC領域を扱うエリック・ニューカマーも、Substackの成功例です。
報道によると、ニューカマーは2023年に自身のニュースレター事業で100万ドル以上の収益を上げたと述べています。
収益のすべてが購読料ではなく、イベントやスポンサー収益も含まれます。
これは、独立系ジャーナリストが、一人のブランドからメディア事業を作れることを示す事例です。
ここで起きているのは、個人ブログの延長ではありません。
特定業界に深く刺さる情報を出す。
読者を集める。
購読、イベント、コミュニティへ展開する。
つまりSubstackは、書き手に「個人メディア企業」への入口を与えたのです。
Substackは、「書く場所」ではなく「読者との関係を積み上げる場所」だった
Substackがユーザーに支持された理由を、機能単位で見ると見誤ります。
メールが送れる。
課金できる。
アプリで読める。
コメントやチャットがある。
Notesで発見される。
これらは重要ですが、中心ではありません。
中心にあるのは、書き手が読者との関係を持てることです。
Substackが一貫して打ち出してきたのは、書き手と読者が直接つながることです。
書き手が読者と直接つながれば、自分が重要だと思う仕事に集中でき、従来のメディアより多くの収益を得られる可能性がある。
この思想があったから、Substackは最初にニュースレターを選びました。
そして成長に合わせて、Readerアプリ、Chat、Notes、ポッドキャスト、動画へ広げていきました。
これは単なる多機能化ではありません。
書き手と読者の関係を深くし、新しい読者との出会いも作るための拡張でした。
ただ、ここまでの話だけなら、Substackは「優れた配信ツール」で終わっていたかもしれません。
実際にはそうならなかった。
その理由が、次の設計にあります。
SNS時代にSubstackが選んだ戦い方
他のSNSは、コンテンツをタイムライン上で競争させます。
目を止めさせ、反応を取り、拡散させる。
発信者は毎回、見知らぬ人の注意を奪いにいく必要があります。
それが引き起こしたのがいわゆる「SNS疲れ」でした。
昨日の投稿が伸びても、今日の投稿が届くとは限らない。
ユーザーは、アルゴリズムに振り回されたり、SNSで流れてくる強い刺激的な言葉に振り回されたり、流れてくる広告に、うんざりしていました。
だから、Substackは、この戦場に乗らなかった。
代わりに作ったのは、購読が連鎖する構造でした。
読者がプラットフォームの中で書き手を発見し、そのまま購読し、さらに別の書き手へ広がっていく。
Substack公式は、新規購読者の半数以上がSubstack内蔵のネットワークから生まれていると説明しています。
その中心にあるのが、Recommendations、Substackアプリ、Notes、Restack、Home feedといった機能群です。これらは拡散ではなく、「信頼の隣接」を設計しています。
たとえば、ある読者がAという書き手を購読する。その書き手がBを推薦している。読者は「この人がすすめるなら」とBを購読する。Bの投稿やNotesを通じて、さらにCを見つける。
バズとは違う、信頼が連鎖する動きです。
Substack公式によると、RecommendationsとSubstackアプリだけで、新規購読全体の50%、新規有料購読の25%を生んでいます。
Substackで伸びる鍵は、信頼が連鎖する仕組みを作ること
Substackを伸ばすために大事なのは、他のSNSのような、強い言葉やマウント合戦では有りません。
信頼が連鎖する仕組みを作ることです。
読者が「この人を読み続けたい」と思う。
読者が「この人を誰かにすすめたい」と思う。
他の書き手が「この人を自分の読者にも紹介したい」と思う。
その信頼の流れを、Substackの機能に乗せていくことです。
その仕組みを考えるうえで、まず押さえておきたいのがレコメンド機能(Recommendations)です。
具体的なレコメンド機能の活用方法については、次の記事も参考にしてみてください。
追伸
この記事にも書いたように、Substackを伸ばすコツは、信頼を積み上げることです。
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こういった行動を積極的に行うことで、信頼を積み上げることができます。
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